津波の到達点にさくら並木を!というNPO法人さくら並木ネットワークによる“さくら並木プロジェクト”の植樹に参加しました。さくら並木ネットワークへは、昨年度から店頭募金を始め、エコバック持参のお客様にお渡しする2円相当の桜チケット募金も合わせ、これまでに9本のさくらの苗木を寄付することができました。そのうち、今年度分の5本を自分たちの手で植えようと、4月中旬のぽかぽか陽気となった3月27日、WE21ジャパン・みどりの有志6名で仙台に向かいました。
■“語り部タクシー”で廃墟となった町をめぐりました
1日目は仙台駅から語り部タクシーに乗り、仮設住宅の横を通り、ご自身も津波で家を失ったという運転手さんに被災時の事や被災した方々の現在の様子などの話を聞きながら、大きな被害を受けた閑上地区、荒浜地区、蒲生地区をまわりました。がれきの山も今はすっかり取り払われ、ただ人の住まない地面が広がる中、住む人を失い、撤去する人もないままぽつんと立つ家が悲しく、立ち残った松も近寄ると波に土砂をさらわれの根がむき出しになっていました。地震が起こった時刻で止まったままの中学校の時計も胸を打ちます。ただ、震災で亡くなった方々の名が彫られた各地域の慰霊碑には今も花がいっぱいたむけられ、人々の“忘れないよ”のメッセージを伝えていました。
■復興の兆しが見える保育園
最後に昨年度“幼い難民を支える会”を通して支援をしてきた「おおぞら保育園」を訪問しました。仮設のトレーラーハウスから新しい建物に引っ越し、人懐っこく元気な子どもたちの様子に着実な復興の一歩を感じることができました。
■“福光桜(ふっこうざくら)”でいっぱいにしたい
2日目は常磐線、亘理(わたり)駅からタクシーで植樹の目的地、戸花山に行き、植樹に参加しました。各地から参加したボランティアに交じり、さくら並木ネットワークのスタッフ、地権者始め地域のみなさんとともに苗木、スコップや肥料をかついで山に入り、植え方を教わりながら20本の桜の苗木を植えました。エドヒガンという種類で400年くらいの長寿の桜だそうです。山腹に50センチくらいの穴を掘り、肥料と土をまぜて戻したところに苗を植え、竹の支柱を立て、根元を数本の木で覆ってうさぎがかじるのを防ぎます。想像以上に足場が悪く、スコップを杖代わりにふらふらと歩きながらやっと作業を終え、青空のもとみんなで楽しくお弁当をいただき、再会を誓って解散となりました。
■成長した桜をまた見に来たい
眼下には津波で洗われた大地が広がり、その中で不通となった区間の常磐線の架線工事が従来よりも山側に位置を変えて進んでいます。2年後に開通予定の常磐線に乗ると坂元の駅を過ぎて左の車窓から見上げると私たちの桜が見えるそうです。それを楽しみにまた来ようねと話しながら帰途につきました。
(WE21みどり代表 五十嵐敦子)